こんにちは、デザイナー歴12年のemikiです。
デザイナーは離職率が高く、転職率が高い職種であることは有名な話です。
かくいう私も、新卒からひとつの会社で実績を積んでいった訳ではなく、数社ほど仕事先を転々としていました。
(業績不振による突然の解雇、自分自身のスキルアップのため、年収アップのためと、転職理由は様々です。)
日本は「ひとつの会社で長く務めたほうが良い」という風潮がありますが、デザイン業界は、ひとつの会社に長く勤めるというよりも、キャリアアップのために積極的に転職を行う人の方が多いです。
デザイナーにとって、「転職」は特別なことではなく、当たり前のことなんですよね。
または、働きすぎで体を壊してしまい、そのまま仕事を辞めるという人も・・・
人間、体が資本です。何よりも優先すべきは心身共に健康な体です。
体を壊してでも自分がやり通したい強い信念を持っているのなら私は何も言えませんが、体を壊してまですがりつく仕事なんてないと思うんですよ。
そこで今回は、デザイナーが「仕事を辞めるタイミング」や「転職」についてお話ししたいと思います。
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デザイナーが仕事を辞めるタイミング
デザイナーが「仕事を辞めたい!」と思う瞬間は、主に以下の理由ではないでしょうか。
- 会社の方針と自分の考えが合わない
- 会社の人間関係が良好ではない
- 在職中の会社ですでに得るものはない
- 実働と給料がまったく見合わない
- 激務な労働環境に体が悲鳴を上げている
- デザイナーの仕事自体が自分に合わない
自分の体に支障をきたしている⑤の場合は、早急に休養を取った方が良いので、辞めるタイミングは「今すぐにでも」です。
デザイン業界は、長時間労働が当たり前で、体育会系な面もありますからね。
「長時間労働がキツイから辞めるなんて精神的に弱いヤツだ!」と「根性論」がはびこっている世界でもあるので、業界全体のそんな風潮が嫌だと感じている人も多くいるでしょうし、現に長時間労働がたたり体を壊してしまっている人も多くいます。
一度体を壊してしまってからでは、回復に時間がかかってしまう場合もあるので、そうなる前に、早急に見切りをつけて転職を考えるのも賢明な方法です。
つづいて、①〜④に関しては、働く場所を変えれば解決できるかもしれない問題。
⑥「デザイナーの仕事自体が自分に合わない」と感じ、転職に踏み切る人もいるとは思いますが、「本当にデザイナーの仕事自体が自分に合わないと感じていますか?」と、私はもう一度問います。
本当にデザイナーを辞めたいの?
「デザイナーを辞めたい」と思って、転職を考えている人は、大きく分けて2パターンあります。
①デザイナー「自体」が自分に向いていないと思う
②デザイナーというよりも「会社」が合っていない
①に関しては、「デザイナーを辞めたい」という言葉は適切ですが、②に関しては、デザイナーを辞めるというよりも、自分の希望する条件に合う「違う会社に転職」した方が賢明なので、デザイナー自体を辞めたいという訳ではありません。
今勤めている会社が嫌だからって、ついでに「デザインの仕事」も嫌になってしまっていませんか?
元AKB48の前田敦子さんの名言じゃないですけど、
「“会社”のことは嫌いでも“デザイナーという仕事”のことは嫌いにならないでください!」といった感じです(笑)。
テレビやメディアの影響で、業界の実態をよく知らずに、憧れだけでデザイナーになったという人は「理想」と「現実」のギャップに苦しむかもしれません。
デザイナーって一見、華やかな職業に見えて、実はかなり地味で、淡々とした仕事が多いんですよね。
長時間のデスクワークも多ので、デスクワーク自体が苦手な人にも向いていません。
寡黙に取り組める仕事(個人で進めることができる仕事)と思うかもしれませんが、ディレクション能力やコミュニケーション能力も不可欠です。
短時間でたくさんの案を叩き出さなければならない場合もあるので、頭の回転力や咄嗟の企画力が必要です。
これらの理想と現実とのギャップは、他業種への転職を考える大きな要因となります。
しかし、デザインの現場で働き、心底「私はデザイナーに向いていない」という人は他業種への転職を考えても良いのですが、少しでも「デザインの仕事が好き!」「私はデザイナー向きの能力を持っている」という人は、労働環境を見直して、自分らしく働ける環境に転職するという選択肢もあります。
Illustrator・Photoshopなどのソフトの技術の習得はもちろんのこと、せっかく身につけたデザインスキルを必要以上に無駄にする必要はないと思うのです。
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労働環境を見直すための転職
- 長時間労働・休日出勤が当たり前の風潮が合わない
- 労働時間と給与の割りが合わない(時給換算すると雀の涙・・・)
- 会社の人間関係が最悪
- 会社の経営方針にずっと疑問を持っていた
- 会社のデザインの方向性と自分のやりたいデザインが合わない(例:会社全体はファンシーなデザインを得意としているが、自分はスタイリッシュで硬めなデザインが得意)
挙げればキリがないほど「自分には合わないと思う」労働環境が挙げられます。
解決方法は簡単で「転職」してしまうこと。
「いや、転職なんて簡単にできないよ!」
「忙しい中の転職活動なんてありえない!」
というご意見が聞こえてきそうですが、確かに転職活動自体は大変ですが、冒頭に申した通り、デザイナーにとって転職することは、スキルアップのために当たり前のことであり、何も特別なことではないということです。
それでは、労働環境を見直した転職を考えるとき、どのような選択肢があるかをシチュエーション別にご紹介します。
労働時間・給与を見直したい場合の転職
労働時間や給与を見直したい場合は、労働時間の短いデザイン事務所に転職、もしくは、インハウスデザイナーとして働くことをおすすめします。
インハウスデザイナーとは、別名「社内デザイナー」のことで、企業内のデザインを請け負う一部署として働くスタイルです。
実は私も長年インハウスデザイナーとしてのキャリアがあります。
- 残業が少なく、長時間労働がない
- 残業代がきちんと支給される
- ボーナスが支給される
- 社会保険完備、退職金制度などの福利厚生が手厚い
- ランチ代補助、家賃補助、社員旅行などの待遇も手厚い
など、一般的な会社員と同じような働き方ができます。
インハウスデザイナーについて詳しく知りたい方は、こちらの記事に書いていますので、興味のある方はご一読ください。
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また、派遣社員として働くこともおすすめ。
デザイナーの派遣社員の場合「時給1,500円〜2,000円」で働くことができるので、下手したらデザイン事務所で働き続けるよりも高時給で働くことができます。
派遣社員は基本的に残業はほとんどないので、労働時間内にガッツリ稼げるというメリットもあります。
デザイン事務所でキャリアを積んだ方なら、インハウスデザイナー、派遣社員共に重宝される存在になるので、自分の今までのキャリアを武器にして転職活動にのぞむことができます。
人間関係や会社の経営方針が嫌になった場合の転職
- 会社にパワハラまがいのことをしてくる人がいる
- 先輩の愚痴話に毎日付き合わされてストレスを感じる
- 会社が良しとするデザインのクオリティーが低すぎる
- クライアントのことを考えない会社の方針が嫌い
など、会社の人間関係に疲れきったり、会社の経営方針に疑問を持つようになった場合も、転職を考える大きなきっかけになるかも知れません。
人間関係や会社の経営方針の悩みは、働く先を変えれば解決してしまう悩みでもあるので、転職を視野に入れた方が賢明でしょう。
転職の際に必ず注意したいことは、前職と同じような事態を繰り返さなということ。
同じように、人間関係や会社の経営方針で悩まないような環境に転職するということです。
でも実際のところ、働いてみないことには社風なんて分からないし、人間関係なんて以ての外分かりません。
「入社前に働く場所の情報を知ることなんてできない!」と、思うかもしれませんが、転職エージェントを利用した転職活動の場合、入社前に会社の雰囲気を掴めたり、エージェントによっては入社後のアフターフォローがついています。
転職エージェントとは、転職活動を個別にバックアップしてくれるサービスのことです。
- お仕事紹介
- 個別カウンセリング
- 履歴書作成の補助
- 面接に同行
- 入社後のフォロー
などの手厚いサポートを最後まで【完全無料】で受けることができます。
デザイナーにおすすめの転職エージェントに関してはこちらの記事で書いているので、興味のある方はご確認ください。
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会社と自分のデザインの方向性が合わない場合の転職
会社と自分のやりたいデザインの方向性が違う場合は、自分の興味のあるデザインの分野に転職すると良いでしょう。
転職理由が明確なので、在職中の会社にも退職理由として言いやすいし、転職先の面接の際も理由のひとつとしてアピールしやすいです。
しかし、自分がやりたい方向性とは違うデザインを学ぶことが一概に良くないとは言い切れません。
興味がなくとも、実績を積むことによりその分野のデザインが得意になるし、突き詰めることでそれが自分の武器となります。
会社の居心地がよく、現在の労働条件で満足しているのなら、転職をせずに現状の環境で頑張り続けるのもひとつの選択です。
興味のないジャンルでも、突き詰めて極める勢いでスキルを磨くのも、デザイナーとして非常にやりがいのある働き方ではないでしょうか。
「やっぱり自分にはデザイナーは向いていない!」他業種への転職
デザイナーに憧れて、思い切ってデザイン業界に飛び込んでみたものの、心底「自分はデザイナーに向いていないな」と思う場合は、他業種への転職も視野に入れましょう。
他業種への転職希望の場合、ズルズル引きするよりも、決断は早い方が良いです。
時間は待ってくれませんからね。
少しでも早く転職をして新たな職種へのキャリアを積みましょう。
私の友人の話です。
バリバリの営業ウーマンでとして働いていたのですが、昔からの憧れであった「デザイナー」に晴れて再就職を決めました。
しかし、実際に働いているうちに「あ、私デザイナーとして向いてないかも」と感じるようになったと言います。
そんな彼女に話を聞いてみると、
「ずーっとデスクワークしているのが疲れる」
「0.1mm単位、1px単位で揃えなければならないなんて、ありえない!」←(爆!)と、不満を溜めていました。
彼女は根明で、人と話すことが大好き。(←決してデザイナーが人と話すことが苦手という訳ではありませんよw)
前職の方が彼女にぴったりだったのかも知れませんね。
結果的に、「デザイナーは私に合わない」と決断を下し、半年も経たずに転職をしていました。
人間やはり適正というものがあります。
合わないと感じたのなら、早々に決断を下し、他業種への転職活動をすることも賢明な方法です。
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【最後に】フリーランスという選択肢
デザイナーは、パソコン+ネット環境さえ整っていれば場所を選ばず働くことができてしまいます。
そんなフットワークの軽さから、フリーランスとして働くデザイナーも多くいます。
「組織に所属する」というしがらみがなくなるので、気楽で快適という反面、フリーランスで食べていくことは、非常にハードルが高いです。
「フリーランスの仕事を見つけることが大変そう!」と感じる人は多いとは思いますが、フリーランス案件を紹介してくれる専門エージェントも数多く存在するので、登録してみると良いでしょう。
このようなエージェントは、最初から最後まで無料で利用することができ、在職中の方の登録、いずれフリーランスに転向したい人の登録もOK。
詳しくはこちらの記事で書いているので、気になる方はご一読ください。
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「デザイナーを辞めたい!」「転職したい!」と思った場合、状況に応じて様々な方法があるので、当記事を参考にしていただけると幸いです。