こんにちは、emikiです。
つい先日、デザイナーとして片足突っ込んだくらいの時期でもある約10年前に、私がデザインしたフライヤーを発見しました。
知人に頼まれたハロウィンイベントのフライヤーです。
(表面カラー印刷、裏面白黒印刷)
当時の私は必死に真剣に作りましたが、
なんとツッコミどころ満載のデザイン!
そんなデザインを10年後の私が、添削しようと思います。
前回は、グラフィックデザイナー初心者のNGデザイン(カラー編)として、表面を添削しました。
今回は裏面です。
こちらは白黒印刷になるので、白黒印刷の注意点についてもまとめていきます。
デザイン初心者がやりがちなNGデザイン例として、見ていただけたらと思います。
※当記事では、裏面(白黒印刷)の方の添削をしています。
表面(カラー印刷)の添削はこちらから グラフィックデザイナー初心者のNGデザイン(カラー編)
内容がサクッと分かる目次
グラフィックデザイナー初心者のNGデザイン例
フライヤー裏面デザインのNGな箇所をザーッと挙げると、以下のような点です。
- いろんな種類のグレーが散っていて、紙面に統一感がない
- 文字が読みづらい
- 背景や装飾がごちゃごちゃ
- 特に意味を持たないグラデーション
- 裁ち落としギリギリの位置に大事な情報を配置
ひとつずつ解説していきます。
NG① いろんな種類のグレーが散っていて、紙面に統一感がない
Illustratorで、各オブジェクトのグレー部分のCMYK値を確認すると、
K80%のグレーもあれば、C18%M12%Y10%K1%のグレーもありました。
これ以外にもにもいろんな数値のグレーが紙面に散りばめられていることが確認され、なんでこんなことになったのかが不思議で仕方ありません(苦笑)。
これが原因で、紙面全体に統一感がありません。
NG② 文字が読みづらい
文字がつまりすぎ。
テキスト改行位置が良くない。
フォントの種類が紙面と合っていない。
初心者丸出しの文字詰めですね・・・
NG③ 背景や装飾がごちゃごちゃ
背景に透かしている壁紙のような模様が濃すぎて、テキストが読みづらい印象です。
統一感のない装飾系の素材を並べているだけなので、まとまりがありません。
NG④ 特に意味を持たないグラデーション
文字ひとつひとつにグラデーションがかけてあり、読みづらいです。
NG⑤ 裁ち落としギリギリの位置に大事な情報を配置
会場のHPは大事な情報なのに、裁ち落としギリギリの位置に配置されています。
表面の時もそうでしたが、裁ち落としラインを良く理解していない初心者丸出しの仕上がりです(苦笑)。
こんなところでしょうか。
表面と同様に、裏面もごちゃごちゃして全体的に統一感がありません。
白黒印刷にもかかわらず、盛りに盛っています(笑)。
何より見づらい要因は、背景に敷いてある壁紙のような装飾です。
濃すぎて文字が読みにくい。。。
しかも、テキストのカーニングやトラッキングも出来ていないという。
お恥ずかしい仕上がりになっております・・・
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NGデザインを添削!白黒印刷のデザインの際に注意する点
- いろんな種類のグレーが散っていて、紙面に統一感がない
- 文字が読みづらい
- 背景や装飾がごちゃごちゃ
- 特に意味を持たないグラデーション
- 裁ち落としギリギリの位置に大事な情報を配置
裏面デザインのNG部分を抽出しました。
続いては、具体的にどのように改善していけば、少しはマシなデザインになるかを解説していきます。
①「いろんな種類のグレーが散っていて、紙面に統一感がない」対処法
→いろんな数値のグレーを多用すると、全体的にごちゃごちゃしてしまい、見づらくなるので、グレーのバリエーションを減らす。
白黒印刷は色がない分デザインの幅が狭まるので、シンプルな配色にした方が見やすいです。
グレーのCMYK値を変えれば色んなグレーを表現できますが、多用のしすぎは厳禁です。
この辺はカラーの場合の配色の考え方と一緒です。
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②「文字が読みづらい」対処法
→カーニングやトラッキングができていないベタ打ち状態なので、きちんと調節する。
→文章を熟読し、適切な位置で改行をし、読みやすいようにする。
→テキストボックスを使用し、文字のはみ出しを最小限に抑える。
カーニングやトラッキングが甘いので、素人感丸出しの文字詰めになっています。
また、文章の内容をきちんと読んでいないので、改行位置も適当。
適切な位置で改行をするように心がけることも大切なのです。
③「背景や装飾がごちゃごちゃ」対処法
→背景の装飾の濃度を薄くする。
→または、文字が読みづらいので装飾を取ってしまう。
→フライヤー全体の世界観に沿ったイラストや素材を選ぶ。
壁紙のような背景の装飾をどうにかしなければなりませんね。
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④「特に意味を持たないグラデーション」対処法
→グラデーションを使う必要があるかきちんと考える。
→グラデーションをかけるのなら、文字ひとつひとつにグラデーションをかけるのではなく、文字全体にグラデーションをかける。
文字ひとつひとつにグラデーションをかけると、文字が読みづらくなってしまうため、まとめてグラデーションをかけるようにする。
⑤「裁ち落としギリギリの位置に大事な情報を配置」対処法
→裁ち落としギリギリに文字などの大事な情報を配置してはいけない。最悪、裁ち落とされてしまう。
裁ち落としから、7〜10mm以内に大事な情報を配置しない。
表面でも同じ失敗をしていますが、裁ち落とし線ギリギリに大事な情報を配置することは厳禁。
特に、文字情報は途中で切れてしまうため、配置しないようにしましょう。
その他、入稿に関しての注意事項はこちらの記事で紹介しています。
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添削後の対処法まとめ
以上、どうすべきだったか添削してみました。
表面同様、ごちゃごちゃして見づらいく、読む側の気持ちなんて考えていませんね。。。
あれもやりたい、これもやりたいと、当時の私なりに必死だったのですが、よく見せたいが裏目に出てしまっています。
デザインは削っていく作業も大切なのです。
白黒印刷は色がない分デザインの幅が狭まるので、シンプルな配色にした方が見やすいこともお忘れなく!
多くの場合、写真などを多用し、ビジュアルに凝ったデザインはカラー印刷。
テキストなどの情報がメインのデザインを白黒印刷にします。
そういった意図を理解し、白黒印刷の場合は、伝えるべき情報を分かりやすく魅せるデザインを心がけた方が、読み手の立場に立った良いデザインと言えます。
(※デザインによっては、あえて白黒印刷で魅せるビジュアルを作り込むものもあります。)
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10年越しにデザインを修正してみた〜表裏でひとつの作品・伝えるべき情報の優劣をつける〜
ということで、10年後の私がデザインを修正してみました。
10年前の素材は活かしたまま、色やレイアウト変更だけでのリデザインになります。
- 背景の装飾をなくすことにより、文字を読みやすくしました。
- 表面のフライヤーの世界観を引き継いで、アクセントとしてイラストを配置しました。
- 日時、会場、料金など大切な文字情報を読みやすいようにしました。
- 問題だったグレーの種類を減らしました。
- 地図も見づらかったので、修正しました。
以上のことに気をつけて、リデザインをしてみました。
え!?全然ダサいデザインじゃん!というご意見もあるかもしれませんが、その辺はご容赦ください(苦笑)。
10年前のデザインよりは、幾分か見やすくはなったはずです。
表裏両面のフライヤー全体の世界観がブレないように気をつけ、伝えるべき情報の優劣をつけて、文字を太くしたり大きくしたりして配置しました。
グラフィックデザイナー初心者でも必死だった当時の私
お恥ずかしい限りですが、10年前の私のだめだめデザインを晒してみました。
今の自分のデザインが完璧とは決して言えませんが、10年前よりは成長していると思っております・・・
デザイナー駆け出しの当初の私は、必死でした。
大学でイラレ・フォトショを習ったものの、スキルだけ学んだので、実践的知識はほぼ独学でした。
または、本や他人のデザインを見よう見まねで真似ていました。
私は、デザイン事務所には就職せず、インハウスデザイナー(社内デザイナー)として働いていたので、師匠みたいな人がいませんでした。
だから、指摘してくれる人がいなかったので、「何が良くて」「何がダメなのか」という判断もつかなかったんですね。
だから当時の私は必死だったのです。
何事も経験を積むことは大事です。
直に教えてくれる人がいなくても、デザイナーの「経験」を重ねていくうちに、なんとかなります!
みんな最初は初心者からのスタート。
だから、色々試してみたり、試行錯誤を繰り返していると、自然と知識もスキルも習得していくのです。
まだデザインを学んでいる方、駆け出しデザイナーの方は、私の昔のダメダメのデザインを見て、励みにしていただけると嬉しいです(笑)。
メモ
※当記事では、裏面(カラー印刷)の方の添削をしています。
表面(白黒印刷)の添削はこちらから グラフィックデザイナー初心者のNGデザイン(カラー編)
良いデザイン・悪いデザインのBefore〜Afterをわかりやすく紹介しているデザイン書もあるので、こちらも参考にしてみてください!
Beforeの改善点やデザイン知識が要所に盛り込まれていて、独学デザイナーには是非読んでいただきたい本です。
もちろん私も愛読書です!
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