「グラフィックデザイナーは食えない」
「グラフィックデザイナーになって後悔した」
「グラフィックデザイナーはやめておけ!と言われる」
グラフィックデザイナーには、このようなネガティブなイメージがあります。
やめておけ…とまで言われてしまうと「このままグラフィックデザイナーを目指していいのか」「グラフィックデザイナーを続けるべきか」不安になってしまいますよね。
この記事では、デザイナー歴15年以上の私が経験談をもとにグラフィックデザイナーのリアルを暴露します。
ポジティブな意見・ネガティブな意見、両方の視点からお伝えするので、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事を書いている人
メーカーのインハウスデザイナーを9年経て、現在までフリーランスとして活動。
当サイト運営にあたり70校以上のWebデザインスクールを徹底調査しました!
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内容がサクッと分かる目次
グラフィックデザイナーはやめておけ!食えない!後悔した!と言われる7つの理由
「グラフィックデザイナーは食えない」
「グラフィックデザイナーになって後悔した」
「グラフィックデザイナーはやめておけ」
と言われてしまう理由は、おもに7つあります。
残業が多いので実労働に見合わない低賃金
実務経験とスキルを重視する世界
参入障壁が低い代わりに挫折する人が多い
グラフィック業界の需要が減っている
業界が縮小されつつあるのに人材が溢れている
グラフィック1本だと、フリーランスは食べていけない
コミュニケーション能力が意外と必要
ひとつずつ確認していきますね。
①残業が多いので実労働に見合わない低賃金
グラフィックデザイナーは、残業が多いです。
終電まで、終電後にタクシーで帰宅…なんてこともよく聞く話。
おまけに、どれだけ長時間労働をこなしても、給与が「年俸制」だったり、「残業代なし」だったり、実労働に見合わない低賃金という職場もザラ。
労働時間が長いと心身ともに疲弊するし、さらに給与が低いとなるとモチベーションがへし折られてしまいますよね。
もちろんこれらの劣悪な労働環境は、勤務する会社によります。
私自身、労働環境を見直したくて、きちんと残業代が出る会社に再就職しました。
繁忙期でなければ定時で帰宅できたし、残業代支給・ボーナス支給・昇給ありだったので、「グラフィックデザイナーになって後悔した…」とは思いませんでした。
会社勤務だったので給与が保証されている分「食べていけない…」という悲劇もなかったです。
詳しくは以下の記事へ。
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このように労働環境次第で「食えない!」「後悔した!」という事態に巻き込まれなくて済むのですが、働き方が異なると消耗するデザイナーになってしまう側面も持っています。
新人の頃は下積み時代として多少とも過酷な環境で働くこともアリとは思うものの、ご自身のキャリア育成を考慮した働き方を考えてみてくださいね。
②実務経験とスキルを重視する世界
グラフィックデザインの業界は、実務経験とスキルが重視される世界です。
即戦力を求められる傾向が強く、新卒を除き未経験からグラフィックデザイナーに転職するのは難しいと言われています。
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なぜグラフィックデザインの業界で即戦力を求められるかというと「忙しいから…」という理由につきます。
長時間残業が当たり前の世界です。
慢性的に手が足りていないことは説明不要。
人材育成をする手間を考えたら、すでにスキルも経験も持っている人に加わってもらった方が、仕事が潤滑に進むんですね。
なお、新卒者の場合はこれに該当しません。
中途採用に比べると、新卒の方が採用率が良いのでその辺はご安心ください。
以上の理由から、実務経験が乏しい人や未経験者が、頑張って転職活動をしてもなかなか仕事が見つからないのです。
結果的に「グラフィックデザイナーになることが難しい…」という結論に至るんですね。
③参入障壁が低い代わりに挫折する人が多い
グラフィックデザイナーになるために資格は必要ありません。
資格はいらないのですが、必ず習得しておくべきスキルがあります。
Photoshopの操作
デザインの基礎知識全般
もちろん、ただ各ソフトが使えるだけではダメ。
総合的なデザインスキルがないことには仕事にならないため、ソフト操作以外の応用力が必要となります。
また、参入障壁が低くなったことも挫折してしまう大きな原因に繋がります。
Adobeソフトがサブスク型になったことで、趣味などでIllustrator・Photoshopを使う人がここ最近増えてきました。
Illustrator・Photoshopを使えば、素人なりにも“それっぽい”デザインが作れるようになったので、(言い方が悪いですが)勘違いをして「私、グラフィックデザイナーでやっていけるかも?」と考える人が現れます。
やはり現場で実務を積んだプロのデザイナーと、独学でデザインを学んだ未経験デザイナーでは、クオリティに雲泥の差があります。
後者は、プロの現場を生で体感することで、初めて自分の実力不足を痛感。
「そんなに甘い世界じゃなかった…」と後悔してしまうのです。
ひと昔前は、Illustrator・PhotoshopなどのAdobeソフトはプロのデザイナー(またはデザインを学ぶ学生)くらいしか使いませんでした。
しかし今では、一般人でも簡単に使うことができる環境です。
グラフィックデザイナーになるための資格も必要ないので、良くも悪くも参入障壁が低くなったことで、挫折する人が増えているんですね。
④グラフィック業界の需要が減っている
電子化が進む世の中。
新聞が売れなくなった…
電子書籍の台頭…
Webやデジタルが主流になってきている現代では、以前と比べてグラフィックデザインの需要が確実に減っています。
・・・ということは、求められる人材も必然と減ってきているということです。
グラフィックデザイン業界がまったくなくなることはないにしろ、業界が縮小傾向にあるため危機感を抱く人も。
そんな理由からグラフィックデザイナーの将来を危惧して「食えない!」「後悔した」なんて口走る人がいるのです。
これま紛れもない事実なので、私も賛同できます。
実際にグラフィックデザインだけでは食べていけないと判断した人は、Webデザインやプログラミングの業界に参入しています。
Web・IT業界は今もっとも旬の職業なので、グラフィックのように早々に廃れることはありません。
もし今からグラフィックデザイナーになりたいと考えている人がいたら、Webデザイナーへの進路も並行して考えておくと安心です。
Illustrator・Photoshopの操作や基礎的なデザインスキルは、これまでグラフィックで培ってきたことを活かすことができるので、ジョブチェンジもスムーズにできます。
⑤業界が縮小されつつあるのに人材が溢れている
電子化にともないグラフィックデザインの業界は縮小傾向にあります。
にも関わらず、グラフィックデザイナーを志望する人はあふれています。
先述どおり環境の変化により、グラフィックデザイナーを目指すことのハードルが下がったことで、デザイナーが飽和している状況…ということなんですね。
少ない椅子をたくさんのグラフィックデザイナーが取り合っている状況というわけです。
そうなると実力主義が明白になってきて、なおさら未経験者がキャリアチェンジをすることが難しくなってしまうのです。
⑥グラフィック1本だと、フリーランスは食べていけない
グラフィックデザインの仕事が業界全体的に減っているので、特にフリーランスは仕事が獲りにくくなっています。
(デザイナーのレベルにもよりますが)Webサイトの制作に比べると、グラフィックデザインの仕事は単価が低いため数をこなさなければなりません。
例えば、Webデザイナーなら1ヶ月に1本ほどWebサイト制作を請け負えば、ギリギリ食いっぱぐれることはないでしょう。
しかしグラフィックデザイナーは、チラシ制作・ロゴ制作などを1ヶ月のうちに数件請け負わないと食べていけません。
仕事が減っている状況で、数をこなすのことは難しいのが現実なんです。
もちろん中にはグラフィックデザインだけで食べていけているプロもいますが、Webデザインの領域に手を伸ばして稼いでいる元グラフィックデザイナーもたくさんいます。
時代のニーズに合うデザイナーに転身していかないと、取り残されてしまうんですね。
⑦コミュニケーション能力が意外と必要
グラフィックデザイナーは、1日中黙々とパソコンに向かって作業をしている…と想像する人も多いと思いますが、意外にもコミュニケーション能力が必要になってきます。
対クライアントと円滑に仕事を進めるためです。
クライアントを説得させるためのディレクション能力や営業力、自己表現を実現するためのブランディング力も求められます。
グラフィックに限らずデザイナー全般に言えることなんですが、意外と対人スキルに長けている必要があるのです。
他人とコミュニケーションを取るのが苦手な人は、「こんなはずじゃなかった…」と後悔することも。
もちろんコミュニケーションが苦手なデザイナーもいるのですが、出世するにはやはり対人スキルは重要です。
上のポジションになるにつれて、社内・社外問わずに人間関係を円滑に進める能力が求められる…ということは、どの業界も同じかもしれませんね。
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食べていけるグラフィックデザイナーになれる人
上記で説明した通り、
「グラフィックデザイナーは食えない」
「グラフィックデザイナーになって後悔した」
「グラフィックデザイナーはやめておkr」
と言われてしまう理由は、7つあります。
- 残業が多いので実労働に見合わない低賃金
- 実務経験とスキルを重視する世界
- 参入障壁が低い代わりに挫折する人が多い
- グラフィック業界の需要が減っている
- 業界が縮小されつつあるのに人材が溢れている
- グラフィック1本だと、フリーランスは食べていけない
- コミュニケーション能力が意外と必要
このような環境の中でも、「食べていけるグラフィックデザイナー」になるにはどういったスキルや能力が必要なのかも紹介しますね。
食べていけるグラフィックデザイナーの特徴
グラフィック業界にコネがある・人脈が広い人
グラフィックデザイナーだけにこだわらない人
コミュニケーション能力が高い人
デザイン業界は実務経験と能力主義なので、業界歴が長い方が有利です。(※スキルが伴う人材の場合)
業界に長くいるからこそ、高度なスキルを所持し、人脈形成がすでにできていることが強みとなります。
スキルだけではなく、仕事を円滑に進めるうえでのコミュニケーション能力が高い人も重宝されます。
デザインの仕事はPCに向かって黙々と作業をするだけではなく、対クライアントとの仕事も多いので、必然的に欠かせないスキルとなりますね。
参入障壁が低く見えるグラフィックデザイナーですが、電子化にともない業界全体のニーズも狭まっているため、仕事の取り合いになることも。
やはり新規参入者よりも業界に長くいる人の方が、仕事が見つかりやすい傾向にあります。
残念に思うかもしれませんが、次世代のグラフィックデザイナーの生き方として「グラフィックのジャンルにこだわらない働き方をする!」というのがおすすめです。
最近では、グラフィックデザインと同時にWebデザインやプログラミングまで学んでいる人がたくさんいます。
Web ・IT系統のジャンルの仕事は、今後も需要があり続けるので、間口を広げて仕事に臨むと成功しやすいでしょう。
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グラフィックデザイナーになって後悔する人
反対に、グラフィックデザイナーになって食えない人・後悔する人は、以下に該当する人です。
デザインスキルが不足している人
実務経験がない人
コミュニケーションが苦手な人
グラフィックデザインの業界だけにこだわる人
デザインスキルが不足している及び実務経験がない人は、即戦力が求められるグラフィックデザイン業界でやっていくには難しいです。
少しでも多くの実績や実務経験を積むことが先決です。
コミュニケーション能力はデザインスキル程必須のものではないのですが、やはり社会人として必要最低限の対人スキルがないと面接にパスすることもできません。
コミュニケーション能力が高いに越したことはないので、苦手な人は意識するようにしましょう。
また何度も言いますが、グラフィックデザインの業界は仕事が減少傾向にあります。
減る一方の仕事を増え続ける人材で取り合っているので、競争が激化していることは想像に容易いはず。
グラフィックの業界の仕事だけではなく、Webデザインやプログラミングなど近しい職業のスキルを持っていると横展開して働きやすいので、選択肢として考えておきましょうね。
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グラフィックデザイナーとして食べていけるようになるには?
「グラフィックデザイナーは食えない」
「グラフィックデザイナーになって後悔した」
「グラフィックデザイナーはやめておけ」
と言われてしまう理由は、以下の通りです。
残業が多いので実労働に見合わない低賃金
実務経験とスキルを重視する世界
参入障壁が低い代わりに挫折する人が多い
グラフィック業界の需要が減っている
業界が縮小されつつあるのに人材が溢れている
グラフィック1本だと、フリーランスは食べていけない
コミュニケーション能力が意外と必要
デザイナー業界は一見して華やかに見えますが、残業だらけで低賃金と…(勤務先によっては)ブラックな環境で働かなければなりません。
グラフィックデザイナーになって後悔する理由としては、十分に頷けます。
また、参入障壁が低い代わりに「実務経験」と「スキル至上主義」の現場なので、多くの新規参入者が挫折…結果的にグラフィックデザイナー志半ばで挫折します。
グラフィックデザイナーの業界全体の需要が減っていることも拍車をかけているので、今後グラフィックデザイナーを目指す人はWebデザイナーなどのWeb・IT関連のスキルを身につけておくと良いでしょう。
Web・IT業界も「実務経験」「スキル至上主義」と似た人材を求める傾向があるので、未経験者はまず最初にスキル習得を最優先に行うようにしてくださいね。
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