ウェブデザイン技能検定は、Webデザイン関連における日本で唯一の「国家検定」で、認知度が一番高い資格となります。
国家検定とは、働く人々の技能を一定の基準により検定し、国として証明する技能検定制度のことを言います。
この記事では、ウェブデザイン技能検定の概要について詳しく解説しています。
「ウェブデザイン技能検定は意味がない?」と言ったご意見も多々見受けられるのですが、本当にそうなのでしょうか??
現役プロのデザイナーが詳しく解説します。
結論を先に言うと「Webデザイナーになるために資格は必要ないので、必ずしもウェブデザイン技能検定を取得する必要はない」です。
必須資格ではないものの、「意味がないか?」となる言われると話が変わってくるので、この事実について本文ではもっと詳しく解説しますね。

この記事を書いている人

メーカーのインハウスデザイナーを9年経て、現在までフリーランスとして活動。
当サイト運営にあたり70校以上のWebデザインスクールを徹底調査しました!
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内容がサクッと分かる目次
Webデザイナーになるために資格は必要?
そもそもですが、Webデザイナーになるために資格は必要なのか…この辺についても詳しく解説していきますね。
Webデザイナーになるために、特別な資格は必要ありません。
例えば、医者になるには医師免許、弁護士になるには弁護士資格が必ず必要ですが、Webデザイナーは無資格でも仕事をすることができます。

資格の代わりに、実務経験や実践的なスキルを所持しているかどうかが重要視されるので、ウェブデザイン技能検定を持っていなくても大丈夫。
実力さえあれば仕事を見つけやすいのが、Webデザイン業界全体の特徴です。
ウェブデザイン技能検定は意味がない?
Webデザイン業界は、実務経験と実力至上主義なので資格を持たなくても働くことができます。
「じゃあ尚更、ウェブデザイン技能検定は意味がない?」と思うかもしれませんが、まったく意味がないか…といったら間違いです。
やはり資格は転職において武器になります。
資格を持っていると、転職における書類審査の段階で、ポートフォリオ以外のスキルの判断材料ができます。
特にウェブデザイン技能検定は、Webデザイン業界でも一番知名度のある国が行なっている資格なので、信頼度が違いますよね。
「ウェブデザイン技能検定は意味がない」というよりは、「ないよりはあった方が良い」と例えた方が、正しいです。
仮に同等レベルの人と転職活動の場で争うことがあった場合、資格の有無は強みになりますよね。
もちろん3級よりも2級、2級よりも1級、上位の資格を持っている方が有利です。

前述通り、Webデザイナーになるために必ずしも資格が必要というわけではありません。
本人の持つ実力次第では、資格保有者を蹴落として転職に成功することも普通にある世界です。
なのでそこまで資格にこだわらなくて良いものの、資格という武器を身につけて安心しておきたい人は、資格取得も視野に入れてみてくださいね。

ウェブデザイン技能検定の概要
続いて、ウェブデザイン技能検定の概要を解説していきますね。

受検資格
ウェブデザイン技能検定の受検資格は、以下の通り等級で異なります。

1 級 | 7年以上の実務経験者 職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業又は普通職業訓練修了後、5年以上の実務経験者 大学卒業後、3年以上の実務経験者 高度職業訓練修了後、1年以上の実務経験者 2級の技能検定に合格した者で、その後2年以上の実務経験者※学科試験に合格した人のみ実技試験に進める |
2 級 | 2年以上の実務経験 職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業又は普通職業訓練修了した者 大学を卒業した者 高度職業訓練を修了した者 3級の技能検定に合格した者 |
3 級 | Webの作成や運営に関する業務に従事している者及び従事しようとしている者 |
3級は、学歴や経験は問わずに受検することができます。

2級は学歴を重視、または2年以上の実務系経験者が対象となります。
1級はそれなりにまとまった期間の実務経験が必要となるので、ウェブデザイン技能検定1級を所持していると転職活動でも有利に働くことは言うまでもありません。
ちなみに、3級→2級→1級の順番に試験をパスしていく必要があるので、どんな実力者でも3級スタートとなります。
最終的に1級を目指す場合、物理的な時間がかかることを念頭において、試験を受けるタイミングに気をつけてくださいね。
受検手数料
ウェブデザイン技能検定の受検手数料は、以下の通りです。
1 級 | 学科: 8,000円 実技: 25,000円 |
2 級 | 学科: 7,000円 実技: 16,000円 (25歳未満の在職者→7,000円) |
3 級 | 学科: 6,000円 実技: 8,000円 (25歳未満の在職者→3,000円) |
2級・3級に実技試験は、25歳未満の在職者に限り受検手数料が減免となります。
(※雇用保険被保険者が対象です。個人事業主、社長、役員、監査役、学生は対象外)
若手育成に力を入れている様子ですね。

なお、支払い方法は銀行振込のみとなります。
おもな試験会場
ウェブデザイン技能検定を実施しているおもな試験会場は、以下の通りです。
試験回 | 等級 | 試験日 | 会場 |
第1回 | 2級 | 令和5年5月28日(日) | 東京、愛知、大阪、福岡 |
3級 | 北海道、東京、愛知、大阪、福岡 | ||
第2回 | 2級 | 令和5年8月27日(日) | 宮城、埼玉、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡 |
3級 | 北海道、宮城、埼玉、東京、神奈川、石川、愛知、大阪、岡山、福岡 | ||
第3回 | 1級学科 | 令和5年11月26日(日) | 東京、大阪 |
2級 | 北海道、宮城、埼玉、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡、沖縄 | ||
3級 | 北海道、宮城、埼玉、東京、神奈川、愛知、大阪、岡山、福岡、鹿児島、沖縄 | ||
第4回 | 1級実技 | 令和6年2月18日(日) | 東京、大阪 |
2級 | 宮城、埼玉、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡、沖縄 | ||
3級 | 宮城、埼玉、東京、神奈川、愛知、大阪、岡山、広島、福岡、沖縄 |
※令和5年度の実績。
2級・3級は年度を通して4回ほど受検できますが、1級は学科・実技各1回ずつしか受検できません。
会場に関しても、2級・3級は全国の各主要都市で行われますが、1級は東京・大阪のみ。
地方在住者は、受検料金とともに交通費・宿泊費等もかかるのでご注意ください。

受検受付は開催日前から行われるので、ウェブデザイン技能検定公式サイトを必ずご確認ください。
試験内容
ウェブデザイン技能検定の試験内容は、以下の通りです。
1 級 | 【学科】90分 インターネット概論 ワールドワイドウェブ(WWW)法務 ウェブデザイン技術 ウェブ標準 ウェブビジュアルデザイン ウェブインフォメーションデザイン アクセシビリティ・ユニバーサルデザイン ウェブサイト設計・構築技術 ウェブサイト運用・管理技術 安全衛生・作業環境構築
【実技】180分 (ペーパー実技60分) |
2 級 | 【学科】60分 インターネット概論 ワールドワイドウェブ(WWW)法務 ウェブデザイン技術 ウェブ標準 ウェブビジュアルデザイン ウェブインフォメーションデザイン アクセシビリティ・ユニバーサルデザイン ウェブサイト設計・構築技術 ウェブサイト運用・管理技術 安全衛生・作業環境構築
【実技】120分 |
3 級 | 【学科】45分 インターネット概論 ワールドワイドウェブ(WWW)法務 ウェブデザイン技術 ウェブ標準 ウェブビジュアルデザイン ウェブインフォメーションデザイン アクセシビリティ・ユニバーサルデザイン ウェブサイト設計・構築技術 ウェブサイト運用・管理技術 安全衛生・作業環境構築
【実技】60分 |
各級、学科と実技が設けられてあります。
1級のみ学科と実技が別日であります。
学科に合格しないと実技には進めないので、この辺もご注意ください。
合格基準は、学科・実技両方で、100点満点中70点以上を採ることです。
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ウェブデザイン技能検定を受講した人の口コミ・評判
実際にウェブデザイン技能検定を受講した人の、口コミ・評判を見ていきましょう。
3級は意味がない?就職したWeb制作会社で活かせなかった
5年前にとったウェブデザイン技能検定3級ってまだ履歴書に書いてもいいんだろうか。
普通免許も持ってないから、ウェブ制作の職業訓練に通ってる時、履歴書の資格欄埋めるために取ったけど、ウェブ制作会社にいても、なんの役にもたってないんだよな。— しい (@shi_miyad) September 6, 2023
私はウェブデザイン技能検定3級取りましたが、重宝されるということは無かったですね🤔
しかしながら、持っていると素人とは認知されないので、一定のスキルの認知になると思います🙆
IT外から見たら、国家資格ということで、この道に進むために勉強したんですとお話はしやすかった記憶はありますね✨— ハル@WhiteLibrary (@library_white) August 29, 2023
ウェブデザイン技能検定についての口コミ・評判をSNSで調査していると、
「3級はあまり意味がない…」という口コミが多々見受けられました。
転職活動にも、そして転職してからの実務経験にも活かされなかった…という声も。
まったくの無価値…ということはないのですが、3級を皮切りに、2級→1級を受検した方が資格の価値が上がるということですね。
実務経験があると3級は簡単
この前どんなもんかと思ってウェブデザイン技能検定3級を受けてきたけど、職業エンジニアにはさすがに簡単すぎた。(って言って落ちてたらウケる)
試験会場でSublimeTextを開いてファイルをいじるっていう体験はちょっと面白かった。
— シュプレ (@spre55) November 30, 2023
実務経験があると、3級はすんなり合格しやすい!という口コミがありました。
エンジニア・Webデザイナーなど、普段から実践的な仕事をしている人にとったら、3級は通過点。
このまま2級→1級取得を目指すと良いですね。
1級の問題がマニアックで難しい
厚労省の国家資格のウェブデザイン技能検定1級の出題が妙にマニアックで難しいと思って見てたんだけど、実際この年は4人しかパスしてなかったみたい。https://t.co/6M8KzvoQxG
— ローデン (@rouden) November 28, 2023
「1級は難しい!」という口コミが多く見当たりました。
やはり最難関は1級!
3級の資格は意味がない…と言われることが多いですが、1級を取得しているとかなりの武器になりますね。
後述しますが、1級は合格者数もかなり低く、倍率が高いです。
勉強を始めて10ヶ月で1級に合格できた
ウェブデザイン技能検定1級、合格しました!!!
Webデザインの勉強を始めて10ヶ月、ようやく目に見えるところまで来た気がします
今後も、さすが1級ウェブデザイン技能士と言われるような、そんなアウトプットを出せる人間になれるように精進していきます!#Web制作#Webデザイナーと繋がりたい pic.twitter.com/jIZupvuiHo— アイザック (@IzacNuton) March 28, 2022
Webデザインの勉強を始めて10ヶ月で1級に合格できた!という強者がいました。
…といっても、1級の受検資格は実務経験が数年ほど必要なので、もともとエンジニアなど何かしらの実務経験を積んでいた方でしょう。
1級の受検資格は、以下の通りです。(いずれか1つに該当するもの。)
7年以上の実務経験者
職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業又は普通職業訓練修了後、5年以上の実務経験者
大学卒業後、3年以上の実務経験者
高度職業訓練修了後、1年以上の実務経験者
2級の技能検定に合格した者で、その後2年以上の実務経験者
このように必ず実務経験が必要になるので、まったくの素人から1級を獲るには年単位の期間を要する点は、ご注意くださいね。
勉強する価値がある
ウェブデザイン技能検定は勉強する価値あると思う。じゃあこれだけ勉強すれば取得した次の日からウェブサイト構築可能かはちょっと違うはず。でも実践時の経験取得には必ず役に立つだろうし、実践経験ある人は良いスキルチェックになるんじゃないだろうか。スキルチェックしつつ国家資格の取得だし。
— ウッチー (@uchz) June 10, 2023
ウェブデザイン技能検定は、3級は特に意味がない!と言われていますが、勉強する価値はあるという口コミも。
初学者の人は、学習を進めていく上で学べることも多いです。
中級者以上の人も、自身のスキルチェックの場としては最適でしょう。
結果的に資格を取得することができるので、この機会に学び直し…と考えても良いかもしれませんね。
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ウェブデザイン技能検定の合格率や試験難易度
ウェブデザイン技能検定の合格率や試験難易度を見ていきましょう。
3級の合格者数と倍率
受検資格のハードルも低く、比較的に簡単に取得できる3級。
2022年の合格者は、以下の通りです。
《3級・第1回の合格者数》
受検者数→586人
合格者数→330人
倍率1.7倍。
半数以上は合格できる…という感じですね。
基礎的な問題が多いので、試験難易度も優しめです。
2級の合格者数と倍率
3級に合格した人が進める、2級の受検。
2022年の合格者は、以下の通りです。
《2級・第1回の合格者数》
受検者数→158人
合格者数→78人
倍率2倍。
3級と比べてやや難易度が上がり、約半数の人が合格できます。
受検者数も3級に比べると減るので、できれば2級までは持っておいたほうが資格としては強いですね。

1級の合格者数と倍率
1級は、かなりレベルが高いです。
《1級の合格者数》
受検者数→54人
合格者数→3人
2022年度の実績ですが、受検生54名に対して最終的に合格したのはたったの3名。(学科まで合格したのは7名)
倍率でいうと、18倍…恐ろしい合格率です。
そもそもですが、受検者数がものすごく少ないです。
受検資格対象者になるだけでもそれなりの実務経験が必要となるので、1級全体のレベルの高さが伺えますね。
ウェブデザイン技能検定は意味ない?まとめ
ウェブデザイン技能検定について、ご紹介しました。
Webデザイン唯一の国家検定であり、権威生としては抜群の知名度を誇るのですが、実際のところ「ウェブデザイン技能検定の3級は意味がない…」といった口コミが多数見受けられました。
ただし、2級以上…特に1級は取得難易度がかなり上がるので、資格を所有していると大きな武器になるでしょう。

Webデザイナーになるには、特に資格の必要はないと言われています。
ただ、ウェブデザイン技能検定の2級以上を持っていると転職活動やフリーランス活動の場で重宝するので、まずは3級から…
2級→1級とステップアップして、スキルと知識を磨いていってくださいね。