美大出身のWebデザイナーは多いですよね。
私自身の経緯も、
美術大学卒→専門学校卒→グラフィックデザイナー就職→Webデザインも覚えた
という流れで、デザイナー人生を歩んでいます。
実は美大生も専門学生も両方とも経験してるんですね、私。
美大の友達もいますし、専門学校の友達もたくさんいます。
そんな私だからこそ分かる、Webデザイナーとして就職する場合に「美大卒」と「専門学校卒」どっちが就職に有利かを徹底解説します。
体験談もお話しするので、ぜひ参考にしてくださいね。
スポンサーリンク
内容がサクッと分かる目次
【体験談】美大生がWebデザイナーを目指す場合、意外な苦労がある!
美術大学といえば、花形の「油絵学科」「日本画学科」「彫刻学科」などを想像する人も多いと思います。
それらの科を専攻している人は、日々絵や彫刻のスキルを磨き、クリエイティブなモノづくりを学んでいます。
だから、授業内容で「デザイン」に関することを学ぶ機会が少なかったりします。
現に油絵科出身の私の友達も、大学4年の時に就職のために必死にデザイナーに必須のIllustrator、Photoshopを学んでいました。
デザイン系の専攻なら問題はありませんが、デザインとは違う専攻した場合、Webデザイナーとしてのスキルを学び直さなければならないことを念頭に置いておかなければなりません。
私は幸いにも、専攻していた科がパソコンを使った映像・Web・グラフィック全般を学べる科だったので、デザイナーとして就職しやすい環境でもありました。
就職目前で焦ってIllustrator、PhotoshopをはじめとしたAdobe系ソフトを勉強し始めていた友達と、1年生の時から授業でデザインについて学んでいた私。
私より確実に絵の才能もあってクリエイティブな人種でもある油絵科の友達よりも、「デザイナーとしての就職」においては私の方が優位に立てていたのです。
だからもし、デザイナーとして最終的に就職したいという目標があるのなら「デザイン」に特化した科を受験するようにしましょう。
もちろん大学で「絵」や「彫刻」などデザインとは異なった科を専攻したとしても、デザイナーとして就職することもできます。
「デッサンが出来る」「絵が描ける」というスキルは、どこの会社に入っても重宝がられる才能ですからね。
しかし、デザインとは違う科を専攻すると、Webデザイナーになるには少し遠回りで時間がかかるということもお忘れなく。
【体験談】専門学校の授業内容は現場向きだと感じた
私が専攻していた美大の学科は、映像・Web・グラフィック全般を広く学べるという感じでした。
映像・Web・グラフィックという幅広いジャンルを、すべて完璧に学び倒すなんて4年間ではなかなか難しいものです。
だから私は美大卒業後、映像の分野を詳しく学び直したいと思い、1年制の映像系専門学校に入学しました。
映像系といえど、Illustrator、Photoshopをはじめとしたグラフィックの授業内容もありました。
授業内容は、とにかく実戦向けのものが多く、必要なスキル習得はもちろんのこと実際の仕事現場に出向いて実戦スキルを学ぶ機会も多くありました。
美大はどちらかというと、自分のクリエイティブな感性を磨く授業が多い印象でしたが、専門学校は「就職」に直結する授業内容が多い印象でした。
大学は4年制・専門学校は1年制だったので、学べる年数のカリキュラムの差も多少なりともあるとは思いますが、「デザイナーとして就職したい」という効率を求めるなら専門学校の方が強いのかな〜と感じました。
スポンサーリンク
美大と専門学校どっちがWebデザイナーとして有利に就職できる?
効率だけを求めると、専門学校の方がデザイナーとして実戦向きかもしれません。
しかし、デザイナーとして大切な要素でもある「クリエイティブな創造力」を培えるのは、断然美大の方です。
授業内容を例にとってみます。
専門学校の課題は「A4サイズ1枚であなたをアピールするチラシを作ってください」という、分かりやすくて取り組みやすい課題が出されることが多いです。
一方美大の課題は「あなたと青を表現してください」といった抽象的で取る人によって色んな解釈ができる課題を出されることがあります。
このような抽象的で頭を捻る課題をこなしていると、様々な方向から物事考えることができ、柔軟な創造力を養うことができるので、一見遠回りのようですがデザイナーとして大切なクリエイティブな感性を培うことができます。
しかし、注意点もあります。
美大のような課題をこなしていると、出されたお題に対して自分のいいように解釈する癖がつき、独りよがりな考え方になってしまう危険があります。
Webデザイナーの仕事はアーティストではありません。
クライアントの意向に沿うデザインを手がける仕事がWebデザイナーということを忘れないようにし、周りの意見を聞き入れる姿勢も大事ですよ。
また、専門学校に通うことによって意外な発見をしたのですが、絵を描けないWebデザイナーが結構たくさんいるんですよ。
美大生になるには、デッサン科目が必須なので「絵」が描けないと合格はまずできません。
もちろん絵が描けなくてもWebデザイナーにはなれるし、「絶対に絵が描けなければならない」ということはないのですが、絵を描ける且つ理論に基づいたデッサンができることは美大生最大の武器とも言えます。
以上を踏まえて「美大出身者」と「専門学校出身者」ではどちらがデザイナーの就職に有利かというと、、、
う〜ん。。。
ズバリ!企業の方針によります!!!
「専門学校より美大の方がデッサンができる分、基礎がしっかりしていそう」
「美大生はこだわりが強いから扱いづらい。クライアントの意向を無視しそう」
「専門学校の方が実戦向けな授業をしているから良い」
「専門学生はクリエイティブな感性が育ってなさそう」
などと言った賛否両論様々な意見があるので、結局は雇う企業に自分が合うか合わないかになってしまいます。
もしあなたが就職を見越してWebデザイナーになりたい場合は、以下が結論です。
ココがポイント
- 効率を求め実戦的なスキルを習得したいなら専門学校でデザインを学ぶ
- クリエイティブな環境が好きで基礎的な部分からデザインを学びたいなら美大でデザインを学ぶ
スポンサーリンク
美大出身者と専門学校出身者のデザイン現場における実態
私は仕事柄、過去に多くのデザイナーと出会ってきました。
大体は、美大出身者と専門学校出身者に分けられます。
(独学でデザインを学んでいる人もいますが、本当にごく一部です。)
周りに美大出身だと言うと過度に期待をされることもあり、変にプレッシャーを感じてしまうこともしばしば。
すべての人には当てはまりませんが、往々にして美大出身者はクリエイティブな面においての「プライドが高い」印象です。
現に私も「美大出身ブランド」にしがみついてしまっている部分があることも否めません(苦笑)。
美大出身ブランドにしがみついていたとしても、デザイナーとして仕事ができる・できないは別の話なので、名実ともに信頼がおけるように美大出身者も自分自身のスキルを磨き続けなければなりません。
一方、専門学校出身者はそんな美大出身者を見ているからなのか、出身校というバックボーンで勝負できない分、実力で勝負をしようと懸命になっている節が見受けられます。
「美大出身だからデザインに関しては私に任せておけ」とブランドにしがみつくよりも、着実に実力を磨いている専門学生の方がデザイナーとして正しい努力をしていると言えます。
もちろんすべての人に当てはまることではなく、ほんの一部の事例かもしれませんが、どちらにしても就職してからもデザイナーとしてスキルを磨き続けることが信頼獲得の近道であり、一人前のデザイナーになるための一歩なのです。
私の場合は、、、
少しばかり「美大出身ブランド」にしがみついてしまっていますが、「美大出身なのにこの程度の実力なの?」と思われてしまう方が怖いので、その権力を振りかざしたことはありません(苦笑)。
美大出身、専門学校出身問わず、デザイナーとして日々スキルを磨き、実力をつけて行くことが結局は正義なのです。
【まとめ】Webデザイナーは美大卒と専門学校卒どっちが就職に有利?
デザイナーとして就職する場合、美大卒と専門学校卒どちらが就職に有利なの、結論は以下の通りです。
ココがポイント
- 効率を求め実戦的なスキルを習得したいなら、専門学校でデザインを学ぶ
- クリエイティブな環境が好きで基礎的な部分からデザインを学びたいなら、美大でデザインを学ぶ
就職における「実戦向き」「即戦力」だけに焦点を当てると「専門学校生」あるいは「デザイン専攻の美大生」が有利と言えます。
デザインをはじめとしたクリエイティブの基礎から深く学びたい場合や、自分の才能をもっと磨きたい場合は美大進学の方が適しているので、自分が何をしたいのかどういったデザイナーになりたいのかを考えたうえで選択すると良いでしょう。
当記事を少しでも参考にしていただけると幸いです。