クラウドソーシングとは、クライアントとデザイナーを繋いでくれるポータルサイトのことです。
仲介サイトを経由して、インターネット上で仕事を依頼したり、仕事を受けたりできます。
クラウドソーシングといえば、業界最大手「クラウドワークス」です。
デザイナーのみなさんなら、実際に利用したことがある人、サービス名を見聞きしたことがある人も多いのではないでしょうか。
私自身も、「クラウドワークス」に登録済みで、実際に何度も仕事をしたことがあります。
実際に使ってみたことにより、クラウドソーシングのメリット・デメリットを身にしみて感じることもできました。
そこで今回は、デザイナーがクラウドソーシングを利用するメリット・デメリットをご紹介します。
クラウドソーシングを使って、デザインの副業をしたい、在宅デザイナーを目指したい、フリーランスの仕事を見つけたいという方は、ぜひ参考にしてくださいね。
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デザイナーがクラウドソーシングを利用するメリット
デザイナーがクラウドソーシングを利用するメリットは、以下の通りです。
- オンライン上で仕事を簡単に見つけることができる
- 対面でのやりとりがないため、必要以上の営業・接客をしなくても良い(個人情報の漏洩もない)
- 場所・時間を選ばず働くことができるので、ライフスタイルの融通がきく
- 報酬未払いという事態を防げる
オンライン上で仕事を簡単に見つけることができる
クラウドソーシングサイトの「クラウドワークス」を経由すれば、オンライン上で簡単に仕事を見つけることができます。
フリーランスの営業活動や、採用のための面接を行う必要はありません。
「稼ぎたい!」と思えば、オンラインから簡単に仕事を探せるうえに、やりとりもすべてオンラインで完結します。
仕事探しに困っているフリーランスデザイナーや、お小遣い稼ぎをしたいデザイナーにとっては、とても重宝する存在となりますね。
選ばなければ仕事を簡単に見つけることができますが、仕事内容や報酬が高単価な案件を選んだ場合は、ライバルも多いため仕事獲得の可能性が落ちてしまいます。
案件自体は会員登録をせずに誰でも閲覧できるので、現在募集されている案件の詳細を知りたい人は「クラウドワークス公式サイト」から、確認してみてください。
対面でのやりとりがないため、必要以上の営業・接客をしなくても良い(個人情報の漏洩もない)
クラウドソーシングは、すべてのやりとりをオンライン上のプラットホームで行うため、対面でのやりとりは基本的には行われません。
ほとんどがサイト内のメッセージのやりとりのみです。
また、本名をはじめとした、住所、連絡先、メールアドレス等の個人情報を明かさずとも仕事を受けることができます。
対面でのやりとりがないのは気楽な反面、すべて文章か画像で状況を説明しなければならず、少し面倒と感じてしまう場合もあります。
ただ、匿名でも仕事を受けられるということは、不特定多数に個人情報を晒さなくても良いため、メリットといえますね。
場所・時間を選ばず働くことができるので、ライフスタイルの融通がきく
請け負った案件を指定日までに完成させれば、場所や時間を問わず仕事を受けることができる働き方も、クラウドソーシングならではのメリットです。
単発で仕事を請け負うことができ、会社員やアルバイト勤めのように週5日の〇時~〇時まで拘束されることなく、自分の空いた時間を見つけながら働くことができます。
本業との合間に取り組める副業としては最適な働き方といえますね。
報酬未払いという事態を防げる
我々デザイナーとクライアントの間に、クラウドワークスの運営入ってくれるので、支払いに関してのトラブルに巻き込まれることはほぼありません。
そもそもクライアントは、先に支払いを済ませてから仕事を発注しなければならないので、報酬未払いの心配がありません。
フリーランスは、支払いトラブルなどの話をよく聞きますが、そのようなリスクの心配もなく仕事を請け負うことができます。
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デザイナーがクラウドソーシングを利用するデメリット
メリットばかりではありません。
デザイナーがクラウドソーシングを利用するデメリットも紹介します。
- 仕事の単価が安すぎるうえに、手数料なども差し引かれる
- デザイン案件はコンペ形式がほとんどなので、採用されなければ作業が無駄になるし無収入
- 選考基準はクライアント次第
- 好条件のコンペには100を超える応募があるため、採用はかなりの狭き門
- クラウドソーシング一本で生活するのは、現実的に考えて難しい
仕事の単価が安すぎる
クラウドソーシング経由の仕事の単価自体は、かなり安いので覚悟しておいた方が良いです。
例えば、A4サイズの両面チラシをデザインする場合、3~5万円くらいが業界の相場でしょうか。(企業や個人によって異なる)
しかし、クラウドソーシングでは、同レベルの案件を1万円以下の予算で提案してくる案件もザラにあります。
デザイン単価の相場を知らない、または相場だと高くて依頼できない企業が経費削減のためにクラウドソーシングで仕事を提示しているため、このような低単価案件が横行しているのです。
もちろん中には通常のデザイン料金の相場と変わりない案件もあるのですが、全体的には完全にデザイナーが買い叩かれている印象です。
今までガチガチでデザイン業界にいた人がクラウドソーシングサイトに掲載されている案件を見ると、「舐めてるの?」と思わざるを得ない案件もたくさんあります。
その分、アマチュアデザイナーや学生デザイナーの経験値を積む場や、お小遣い稼ぎにはぴったりなんですが、プロのデザイナーからしたら残念すぎる環境と言えますね。
報酬から手数料が差し引かれてしまうため、さらに仕事の単価が下がる
さらに我々デザイナーが低単価で仕事を請け負わなければならない理由は、システム利用料の存在です。
報酬から5~20%の手数料を差し引かれてしまうため、実際に受け取ることができる報酬はさらに安くなってしまいます。
《システム手数料目安》
★クラウドワークス
報酬が10万円以下・・・20%
10〜20万円・・・10%
20万円以上・・・5%
※実際は10万円以下の案件がほとんどなので、システム手数料はほぼ20%と考えてもよいです。
クライアントはシステム手数料を加味したうえで報酬額を決めているのですが、実際にはシステム手数料どころか案件自体の報酬設定も低いため、トータル的に見るとデザイナー側は、金銭的な得をあまり感じられません。
さらに、報酬の振込は1,000円以上からとなり、振込手数料として500円を徴収されます。
1,000円に満たない報酬は、翌月に繰り越されるのですが、一定期間内に報酬の合計が1,000円以上にならない場合は、稼いだ金額は失効してしまうという鬼畜なシステムもあるんです。
振り込み手数料高すぎない?
しかも、1,000円に満たない金額の場合は、稼いだ金額が失効するなんて・・・
クラウドソーシングは、画期的で便利なシステムだと思いますが、先ほども申した通り、デザインを勉強中の学生や、アマチュアデザイナーのお小遣い稼ぎとして考えた方が、精神衛生上「楽」ですね・・・。
デザイン案件はコンペ形式がほとんどで、採用されなければ作業が無駄になるし無収入
デザイン案件のほとんどは、コンペ形式またはプロジェクト方式です。
コンペ形式は、ご存知の通りコンペに採用されないことには報酬が1円も出ないので、作業が無駄になってしまう可能性がおおいにあります。
プロジェクト形式は、コンペのように作品を実際に作って提出はしないのですが、クライアントの案件に適した内容を自分の過去の実績とともにプレゼンしなければなりません。
プロジェクト形式はコンペ形式に比べて、ポートフォリオの提出など仕事獲得までの作業量が比較的に少ないため、応募が集中する傾向にあります。(=採用される可能性もかなり低い)
実際のデザインの現場でもコンペは日常的におこなわれていることなのですが、「行った作業が必ずしも収入に結び付かない」というリスクがあるということを理解しておきましょう。
選考基準はクライアント次第
選考基準はクライアントにあります。
中には「え?こんな素人臭くて、デザイン性の欠片もない作品が採用になるの?」という場合もあります。
デザインの現場でもおおいにあることかもしれませんが、長年のデザイン経験者がデザインにすらなっていないアマチュアにコンペで負けるなんて、結構なショックを受けてしまうんですよ(苦笑)。
いや、デザインはクライアントありきなんで仕方のないことなんですが、それにしても見る目がなさすぎる!と感じてしまうこともあります。
ちなみに、コンペの結果は案件によっては閲覧することもできるので、気になる方はサイトから確認してみてくださいね。
好条件のコンペには数百を超える応募があるため、採用はかなりの狭き門
ロゴ制作10万円以上、チラシ制作10万円以上など、好条件のコンペやプロジェクトには、とにかく応募者が殺到します。
100以上の応募が集まることもザラです。
デザインの素人やアマチュアはもちろん、中にはプロデザイナーも混ざっているので、コンペ採用は狭き門といっても良いでしょう。
特に高額報酬は必ずと言っていいほど応募が殺到するので、よっぽどの自信がない限りは好条件コンペへの応募は控えた方が良いかもしれません・・・
先ほども申した通り、コンペは採用されなければ作業時間も無駄になってしまいますし。
クラウドソーシング一本で生活するのは、現実的に考えて難しい
クラウドソーシングは、金銭的な部分だけを見ると、仕事を発注する人の方が優位に利用できる仕組みです。
デザインを勉強中の学生
デザイナーが本業の合間に行うお小遣い稼ぎ
このような人が使うのに向いているのですが、クラウドソーシング一本で生計を立てていくのは難しいです。
プロのデザイナーの方も、「本業並みに稼ごう!」とか、変に期待しない方がよいです。
クラウドソーシングの画面に1日中張り付いて片っ端から応募しまくれば、チャンスはあるかもしれませんが、現実的に考えて難しいですしね。
中には、クラウドソーシングだけで月収20万円以上を稼いでいる人もいますが、それはピラミッドの頂点に位置する人たちのみのことです。
その人たちは、稼げない間もめげずにクラウドソーシングを続けてきた努力と、デザイナーとしての才能がある人たちなんです。
誰でも簡単に仕事を見つけることはできるけど、誰でも簡単に大金を稼ぐことがはできないという現実を、私はクラウドソーシングの経験を経て垣間みました。
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デザイナーがクラウドソーシングで働くメリット・デメリットまとめ
デザイナーがクラウドソーシングで稼ぐ、メリット・デメリットをご紹介しました。
金銭的な面では「う~ん・・・残念!」と思うことが多いのですが、オンライン上で簡単に仕事を見つけることができたり、場所や時間を選ばずに働くことができるというメリットもあるので、まずはどんなものか試しに使ってみてください。
大きな収入アップを図るのは難しいのですが、副業やお小遣い稼ぎ程度であれば、稼げるようになりますよ。
会員登録や利用は無料でできるので、ぜひサイトをのぞいてみてくださいね。